ふくえらびtips vol.35

ふくえらびtips

35

2022.06.09

連載35】「似合いやすいTシャツ」を着こなすだけで、夏のおしゃれは楽しめる!

「ふくえらびtips」は、服選びやコーディネート作りにつながるヒントを専門家が解説する連載コラムです。
今回は「大人に似合うTシャツ」について考察。
基本的な考え方を押さえつつ、自分にぴったりのTシャツを見つけて徹底的に着回しましょう!!

構成&テキスト:平 格彦(AllAbout「メンズファッション」ガイド/編集者/ライター)https://note.com/masahikotaira
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大人が選ぶべきTシャツの大前提は「派手すぎないデザイン」

夏に向けて大活躍するTシャツはシンプルな作りが大きな特徴。
そのボディは絵画を描く「キャンバス」に例えられることもあり、グラフィック、ロゴ、柄などを描いた独創的なTシャツがたくさん登場しています。

好きなデザインのTシャツに出会ったら、それを着たくなって当然です。
ただし、「着たいデザイン」と「似合うデザイン」は違うものだと思ってください。

そもそもTシャツはカジュアルなアイテムです。
そのTシャツにインパクトのあるグラフィックなどを加えると、さらにカジュアルで派手な印象になります。
カジュアル過ぎるTシャツは、子供っぽい印象になりがち。
大人には似合いづらいデザインでもあります。


もちろん、大胆なデザインのTシャツでも似合えばおしゃれです。
ただし、個性の強いTシャツは似合う人が限られ、着る人を選ぶアイテムだという前提を忘れずに選ぶようにしてください。

最初に優先すべきは(似合うかどうかわからない好きなデザインよりも)確実に似合うデザイン。
似合うアイテムを着こなすことが、おしゃれに見せる近道です。
そして、もっとも似合いやすいのはスタンダードな「無地」のTシャツ。
定番的な「ボーダー柄」のTシャツなども似合いやすいアイテムです。
そんなベーシックなTシャツをきちんと着こなすだけで、コーディネートはおしゃれな印象にまとまります。


ベーシックなデザインを選びつつ「色味」や「サイズ感」で差別化を

似合いやすいベーシックなデザインを選ぶのが先決ですが、それだけでは無難で地味な印象になってしまいます。
そこから脱却するためには、さり気ない「差別化」がポイント。
Tシャツは豊富なカラーバリエーションも特徴なので、王道ではない色味を選ぶことで差をつけてみてください。
圧倒的な王道カラーはホワイトとブラック。
その2色を避けるだけでちょっとした差別化につながります。

写真のTシャツはチャコールグレーです。
グレーのなかでもダークな色味で、ブラックに近い落ち着いた雰囲気があります。
その一方、少し明るくて表情があり、こなれた印象が与えられる色味です。

また、カーキやベージュもおすすめ。
大人っぽい落ち着いたムードと、少しマイルドな印象を兼備しているのが特徴です。
落ち着きのあるニュアンスカラー(中間色)なら、同じような効果が望めますので、自分に合いそうな色味を見つけてみてください。


リラックス感のあるルーズなシルエットが主流になっていますので、そんなサイズ感で今っぽくアレンジするのもおすすめです。

最近はサイズ設定が大きめで、「オーバーサイズ」や「ルーズフィット」、「ビッグシルエット」や「ビッグTシャツ」などと称するアイテムがかなり増えてきました。
そんなTシャツを選ぶことで今どきなリラックス感を演出することができます。

アイテム自体はベーシックなサイズ設定でも、普段より大きめにサイズアップすることでアレンジすることも可能です。
普段がMサイズなら、LサイズやXLサイズを選ぶといった具合。
大きめと言っても極端にルーズなTシャツを選ぶ必要はなく、ボディのラインを拾わない程度のワイドなシルエットを選ぶだけで、今っぽいリラクシングなムードが生まれます


さらに変化がほしい場合は「細部のデザイン」で個性をプラス

もう少し個性をプラスしたいなら、細かいデザインで差別化するのがおすすめです。
ベースがスタンダードなデザインなら、ディテールに個性があっても全体的なバランスがカジュアルになり過ぎることはありません。

細かい部分の差別化として代表的なのは、ワンポイント。
Tシャツでは、左胸にブランドのロゴやアイコンをレイアウトしたデザインが定番です。

ちなみにここでピックアップしたTシャツは〈ライル&スコット〉。
英国のロイヤルワラント(王室御用達)を授与したこともある名門です。
シンボルは「ゴールデンイーグル」で、黒いボディのTシャツに良く映えています。

ワンポイントはアイキャッチとなるデザインなので意外と影響が大きく、そのセレクトも蔑ろにはできません。
大人っぽい印象をキープしたいなら、気品ある名門ブランドや、比較的シンプルなロゴなどを選ぶのがおすすめです


「フェイクレイヤード」のTシャツを選ぶことで個性をアップすることもできます。
レイヤードしているように見えるデザインで、Tシャツスタイルのおしゃれ度が一気にアップ。
実際に重ね着とは違って組み合わせを考える必要がなく、簡単にコーディネートが築けるのもメリットです。

Tシャツの場合、首周り、袖周り、裾周りの3箇所からインナーをのぞかせることができますが、それはフェイクレイヤードでも一緒。
どこにアクセントを加えたいのか、目線を誘導したいのかを考えてアイテムを選ぶようにしましょう。

デザインによる変化とは少し違いますが、2つのアイテムがセットになっている「アンサンブル」も狙い目。
Tシャツに合うベストなどがセットになっていて、一緒に着るだけでバランスの取れたレイヤードスタイルが完成します。
重ね着が楽しめるだけでなく、それぞれのアイテムを単体でも着回せて便利です。

今回は素材などの細かい説明は省き、Tシャツの印象を大きく左右するデザインについて解説しました。
似合うTシャツが見つかるとコーディネートのベースが固まり、夏のおしゃれに自信が持てるようになります。
まずは何より、自分に似合う1枚を見つけ出しましょう!


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